E-330についての雑感

ライブビュアー

E-330の最大の特徴にして最高の武器。まだまだ発展途上の感は否めないが今後の発展に期待したい。E-10やE-20の様な形式が本当は良いのだろうけど。あれも忘れてはいけないライブビュー&マルチアングル液晶一眼レフ。レンズが交換できないけどね。
他の一眼レフでは本体の撮像素子をそのまま使うBモードは実現できても、別途撮像素子を用意するAモードは実現が難しいでしょう。オリンパスE-300後継機以外にはAモードに相当するモノは搭載できないと思われる。一応ペンタミラーをハーフミラーにして奥に撮像素子をはめ込む方法や接眼部直前にハーフミラーをはめ込む方法もあるにはあるけど軍艦部がでかい不格好なモノになってしまうだろうからやらないだろうな。
今後更に熱ノイズ対策が進めばミラーを必要としないDSC-R1のようなBモードのみでライブビュアー可能なレンズ交換式カメラが出てくるでしょうけどね。
ソニーはR1+αレンズはまず出してくるだろうけどダストリダクションが無い点を今後どうしていくのか、そしてそれがある限りオリンパス松下連合は今後の強みをまだまだ残しているとも言えます。


ライブビュアーの強みはまず、ファインダーと液晶が一体になっていること。当たり前の話ですが、あまり当たり前ではない。
コンパクトデジカメしか利用したことのない人にはわかりづらいのですが、一眼レフの場合見たとおりに撮影できるわけではない。ファインダーには外の光がそのまま入ってきてしまうので自分の思っていたとおりに記録されているかどうかはわからない。確認するには撮影してすぐあとに液晶表示されるアフタービューやプレビューで確認しないといけない。これがいちいちファインダーから目を離さないといけないわけでなかなか難しい。
慣れた人なら大体の仕上がりは想像できるだろうし、ブラケット撮影を使ってある程度カバーできたりもする。ましてや銀塩の頃なんて現像するまで仕上がりは確認できなかったのだから。とはいえ初心者、慣れていない人には液晶ですぐに確認できるのは便利。特にAモードではライブビューと実際の仕上がりには大きな差ができる事だろうし、その差をうまくコントロールしていければ初心者が陥る設定の多さとその反映が確実に出てしまう点もクリアしていけるだろう。一眼レフ初心者救済カメラとしてかなり期待できる。
31種類もの撮影モードもその辺りを確実に身につける事ができるだろうな。


ライブビュー搭載で最も恩恵を受けるのは水中撮影でしょう。
キャメディアでもかなりの数の水中ハウジングを用意しているけど、レンズ交換可能なE-330だからこそ撮影可能な世界がありますからね。
あとは水中フラッシュをどうにかして欲しいところ。
これでもう少し水中ハウジングが安ければ、いやもっと安ければスクーバダイビング始めてしまうところでしたよ。スポーツジムでやっているの見ていると楽しそうだし。
星撮り、風景撮りにも威力を発揮するだろうな。長時間露光に強いから星撮りには特に便利だろう。
ライブビューなら三脚に取り付けた際にファインダーをいちいち覗き込まないで済むし、視野率100%のBモードと、オートフォーカス可能なAモードを切り替えながら使うことでかなり楽に撮影が進められそう。Bモードはマクロ用ではあるけれど視野率100%であることを利用しての確認用にも使えますからね。
値段は高めだけど広角ズームに良いレンズがあるZDレンズですしね。

マルチアングル液晶モニター

α-7 Digitalではアングルファインダーを使っているけど、正直使いにくい。
アングルファインダーをある程度使ったことのある人ならわかるけど、4方向にしか回転しない。それ以外の角度ではファインダーは真っ暗。
そして回転すると言ってもファインダーを覗くのに横を向いたり上を向いたりはまずしない。どのような格好で撮影しているかちょっと想像してみればよっぽどのことがない限りそんな格好はしないのがわかるだろう。
そしてアングルファインダーでは不可能だったハイアングル。この表現の幅の広がりはかなり高いと思う。
あと、アングルファインダーってそうそう使わないからいつもの感覚で覗いて、目に突き刺したことがあるし。


ハイアングルの時に一脚を利用してかなり上から撮影するときがあるのですが、そういうときにもこのマルチアングルは効果的。
パワーバッテリーホルダーが無い為レリーズケーブルが付けられないらしくリモコン専用なのはちょっと使いづらいかな。無線の方が自由に動かせるけど確実性に欠けるから。
こういう製品使えばいいのだろうけど
ウェストレベルでの撮影可能なのは安定性も上昇するし、全身像を写すにはちょうど良い安定した視点。ただ、縦位置グリップがないのでレリーズがやりにくそう。

マルチアングル液晶が上下にしか動かないのは正直残念。強度の問題とか大きさとかあったのだろうけど。
それでも視野角の大きなハイパークリスタル液晶だから構図の確認には特に問題は感じていない。下に45度しか動かないけどこれも液晶が良いので更に下から見ることも可能ですし。

その他

E-500のユーザインターフェースは見た目通りなので使いやすい。E-300の押してからクルクルも良いけど、できれば押したままクルクルも選択できれば良いのに。せっかく回しやすいダイヤルなのだから。
ただ、ユーザインターフェースはわかりやすいのですが動作が重いのをどうにかして欲しい。もっとキビキビと画面が切り替わればなぁ。
グリップ部の変な突起が外されより持ちやすくなっていると思う。
FL-36での簡易2灯撮影はE-300そのままに。ホットシューが少し後に配置配置されているように見えるけど、さすがにFL-50は使えなさそう。
絵についても今のところサンプルも見事なオリンパスブルーだしその辺りは心配なさそう。まぁ、まだ調整も済んでいないだろうけどね。

これから

松下から手振れ補正レンズを組み込んだレンズまたはカメラが出てくるかどうかが大きな分かれ目になるかもしれません。
手振れ補正の効果は過大評価されている気はしますが、それでもあるのと無いのとでははっきりと違いがわかりますから。
松下の初めての一眼レフカメラもどうなるのか。おそらくE-330よりも入手しやすい値段を付けてくるでしょう。そしてライブビューを搭載してくる可能性も高い。さすがにマルチアングルまで載せてこないだろうけどなんらかの差別化を図ってくるだろうし。もしかしたら一眼レフではなく一眼カメラかもしれないし、EVFかもしれない。
SDカードやE-330と同じ撮像素子なので動画撮影などは難しいだろうし、レンズ交換可能なDSC-R1のようなモノを想像していた。どちらにしても10万以下でE-330を一部上回るモノを出してくるだろうし、ひさしを貸して母屋を取られると言うようなことのないよう。


E-1後継機も大きなポイントになるでしょう。
ただ、E-300の機能のうちAモードは仕組み上、マルチアングル液晶モニターは防塵防滴というシステム上搭載できないだろうし、せいぜいついてBモードくらいなモノでしょう。
かわりにE-330ではE-500と同様にパワーバッテリーホルダー用端子が最初からついていないらしく、そういう拡張性が一切省かれた。レリーズケーブルもそのおかげで接続不能
そういうオプションが付くか付かないかでの差別化がより図られていくのでしょう。
E-1並のファインダーが搭載されるのならあまり気にする必要も無いのでしょうが、差別化のためには単にE-500を防塵防滴にしてファインダーを良くして拡張性を上げてダイヤル2個でマグネシウムボディーに納めました。というだけではさすがに納得しないでしょうし。
こちらもかなり期待しています。
ただ、E-330を見ていて不安になるのはこの製品ラインで全く違う方向を向いているということ。キヤノンニコンもいくつかの製品のラインがあるのだけどそれぞれ部品を流用したりノウハウを流用したりしている。そういうことがやりにくいオリンパスの体制は大丈夫なのかと。


そんなわけで色々書いたけど、期待して待っています。